なぜ主語を省略するのか
主語も可能な限り、省略すると、文章がすっきりして、リズムが出てきます。
主語がなければ、文章の 意味が分からないのではないか? そう思われる人もいそうですが、実は、この主語の省略というのがとても重要なのです。
大きな理由は次の2つです。
(2) 余分な主語を外すと、文章にリズムが出る。文に勢いと力強さが出る。
主語が変わると冗長になる
順に解説します。
まず、次の例文を見てください。よくある文です。
この文のどこが良くないのか。
だらだら感があるのは分かると思います。 まさに、主語の問題なんです。主語がどんどん変わるのです。
では、分解して考えてみましょう。
「私が子どものことで学校に要望を伝えに行ったところ」→主語は私
「担任の先生はいなかったが」→主語は先生
「帰宅すると」→主語は私
「すぐに担任の先生が電話をしてくれて」→主語は先生
「私は要望を伝えられた」→主語は私
このように、主語が次々変わると、読みにくくなるうえ、主語を省略できないので、余計に冗長になります。
最初から主語をそろえる
こういうときは、主語をそろえるように書き直します。例えば、主語を「私」にそろえると、次のようになります。
これで主語は、すべて「私」で統一されました。主語が省略できるところは省略する と、すっきりします。
「私は」という主語は、なくても分かる上に、全体の主語が統 一されましたので、省略もしやすくなります。
かなり簡潔になりましたが、まだ冗長です。文は短く切り、読点が1、2になるようにするのが鉄則でした。「担任の先生」「要望を伝え」という言葉がダブっています。これも省略できます。どんどん簡潔にしましょう。
主語をそろえ、文を簡潔にすることで読みやすくなり、文が力強く、勢いよくなります
また、ここでは触れませんが、同じ内容について書かれた箇所を1箇所に集めることで主語を省略しやすくなります。
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「私は~思う」を考える
特に主語が「私」の場合は、「思う」と受けることも多くなって、文が弱くなりがちです。
例文6 すでにユーチューブからビジネス情報を得ている若者は多い。
例文6の方が言い切りっているので、語感が強くなります。
こうした方法は、セールスライティングでも、よく使われます。
「思う」という主観でなく、言い切りにすることで客観的な印象を相手に与えることができます。
もちろん、ある程度、根拠がないと使えませんが、「私は~思います」だと主張が弱くなることは、覚えておくとよいでしょう。